建築ブログBLOG

【 web内覧会 】古き良きものを残しつつ、生まれ変わった家 (玄関編)

こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。
倉谷建築三代目の嫁です。

 

先日、この度リフォームをさせていただいていたお施主様宅の完成写真を、
プロカメラマンの方に撮影していただきました。

今回も撮影していただいたのは、ふくもとデザイン事務所の福本さん。
その写真がまたとっても素敵で感激しました。

今日はそんな素敵な写真と合わせて、お客様宅を一部ご紹介させていただきたいと思います。

 

 

まずは、玄関。

こちらはなんと約6畳分の広さがあり、とてもゆったりとした空間です。

 

 

式台には、紀州材の檜の一枚板を。

 

 

そして、上を見上げると、なんとも美しい天井が目に入ります。

 

「網代(あじろ)天井」と呼ばれるこの装飾。

椹(さわら)という木の野根板(のねいた)を使っていますが、ひとつひとつ、
手で編んで作られています。

 

 

そしてもうひとつ、その網代天井の手前に見える1本の柱。

これは、栗の木の六角名栗(ろっかくなぐり)。
(亀甲はつり、ともいいます)

 

 

名栗(なぐり)とは、「ちょうな」という道具で柱や板を規則的に削って(“はつる”)、
独特な加工を施す伝統的な技術のことです。

 

 

この名栗を、玄関の広間のタモの床一面にも施しています。

名栗の床を歩くのは初めてでしたが、足に触れる感覚がとても気持ち良かったです。

 

 

この名栗ができる職人さんは、全国にわずか数名しかいらっしゃらないそうです。

今回は、そのわずか数人のうちの名人のお一人、原田銘木店の原田さんに、
名栗を施していただきました。

その美しさは圧巻です。

 

 

さらに、奥の方の天井は、光天井。

障子から透ける光が美しい灯りです。

 

 

 

下駄箱も紀州材の檜で作りました。

奥に見える障子は雪見障子(上下にスライドできる障子です)になっています。

 

 

下駄箱のアクセントにもなっている床柱は、京都北山の磨き丸太。

 

そんないくつもの拘りが詰まった、なんとも趣ある玄関に仕上がりました。

 

 

玄関は住む人を一番に迎える場であり、時にはお客様をお迎えする場。
その家の顔と言ってもいい空間かもしれません。

 

きっと、こちらのお客様宅の玄関は、迎えられた人の心を穏やかに、
豊かにしてくれることと思います。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

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