建築ブログBLOG

御幣に心を込めて

こんばんは。

ご訪問ありがとうございます。

倉谷建築三代目の嫁です。

 

 

いよいよ12月、師走がやってきました。

今年も残すところあと1ヶ月となりましたね。

 

 

そんな令和元年を締めくくるこの月。

倉谷建築では、現在施工中の新築のお施主様宅2軒が、上棟式*を迎えます。

*上棟式とは…
新築の建物を建てる時の祭祀で、無事に棟が上がったことを喜び、感謝するものです。
棟上げ(むねあげ)や建前(たてまえ)とも言います。

そこで、今日は私、〝御幣(ごへい)〟を書くという重大な任務を仰せつかっておりました。

 

 

 

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、〝御幣(ごへい)〟というのは上棟式に際して、
家の屋根裏に祀る木の板です。

ここに「祝上棟」や「奉上棟」として、日付と共にお施主様のお名前、設計施工業者名などを書き入れます。

 

 

 

 

ただこの〝木〟に墨で文字を書くって難しくて…

どうしても滲んでしまうのが悩みでした。

 

チョークを擦りつけてから書くと良いと言われ、一応対策としていつもやっていましたが…

それでも絶対滲んでしまうんですよね(涙)

 

 

 

もうそればかりは仕方ないものと諦めていたのですが、ある時お施主様からこんな墨汁をいただきました。

なんと〝木に書く為の〟墨汁です。

木の看板にご自分でお店の名前を名入れしたお施主様。
これなら滲まず書けますよ!と下さったのです。

これがもうとっても素晴らしくて!

これを使い出してからは格段に滲まなくなり、絶対滲んでしまう問題はスッキリ解決されました。

 

 

 

 

とは言っても、一発勝負のこの大役。

もう何度も書かせて貰っていますが、何度描いてもやっぱり毎回緊張します。

万一失敗してしまっても、削って貰えばまた元通りにはなるのですが…

職人さんにお手間をとらせてしまうので、極力失敗しないようにとプルプル震えながら書きます(笑)

 

 

 

 

こういうのをサラッと一発で書けたら格好良いなぁと思いますが、そこはチキンな私。

毎回練習からはじめます。

 

 

 

今日は従業員の玉置さん(愛称:たまちゃん)が応援に来てくれて、「習字なんて小学校以来したことないなぁ」
と言うので、「書いてみる?」と一緒に練習したりして。

絵が得意なたまちゃんの「祝上棟」には来年の干支の鼠も添えられて、キュン♡

 

 

 

今までは一人きりで書いていましたが、こんな風にたまちゃんにも応援してもらったお陰で、
何とか最後の1文字まで無事に書き終わりました。

それでもやっぱり一文字一文字プルプル震えながらですが(笑)

 

 

 

 

ちなみに、御幣を一度に2枚も書いたのは初めてでした。

こんなにおめでたいことが重なるなんて、嬉しい限りです。

 

 

 

 

御幣は屋根裏に飾られるので、家が完成した後は普段お施主様の目に触れるものではありませんが、
ずっと家に残るもの。

そんな大切なものを、書かせていただくなんて、身にあまる光栄です。

 

〝小学生の時にちょっと習字習ってました〟レベルの私なので、本当に恐縮ですし申し訳なく思いますが…

1文字1文字気持ちだけはたっぷり込めて、書かせていただいております。

 

家が無事に完成しますように。

完成した後もずっと家がお施主様を守ってくれますように。

お施主様が末永く健やかに幸せに過ごせますように。

 

そんな気持ちを込めて。

 

 

 

 

 

今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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